財政悪化による金利上昇のタイミングが早まる

財政悪化による金利上昇のタイミングが早まる

とはいえ、国債以外に国内の余剰資金の受け皿がないといケ構造が変化することはなく、大幅な上昇は見込まれていない。一時的なぶれを除けば、H年度内は1.5%前後が上限だろう。

 

ただ、政治的圧力によって復興財源となる国債を日銀が直接引き受ける事態に陥った場合には、当局自らが国債の発行市場が機能しないことを認めたことになり、日銀の信認低下と相まって金利が急上昇するリスクがある。

 

中長期の視点では、少なからぬ市場関係者が、今回の大震災が財政破綻懸念からの金利急上昇のタイミングを早めたのではないかと見ている。それは、国内に生産拠点を持つことに地震リスクがあることを多くの企業が認識したことで、生産拠点の海外移転が加速するのではないかと予想しているからだ。

 

拠点の海外移転進行は輸出の減少をもたらす。少子高齢化の進行もあり、いずれ到来する経常収支の赤字転落のタイミングを早めることになる。そうなれば、金利低位安定の前提である財政赤字を埋める資金が国内で賄われるという前提が崩れる。

 

財政改革が進まず、収支が悪化の一途をたどっても、そのぶん経済が縮小していけば皮肉にも金利は上昇しないというわけだ。こうした後ろ向きの構造変化をもたらさないようにするためにも、政府には復興に向けたビジョンとともに財政改善に向けた道筋を明確に示すことが求められる。

 

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